Unagi Club
1 December 2025
6 min read
Vol.4: 国境を越えた日
Vol.4: The Day We Crossed a Border
UNAGI CLUB
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ちょうど一年前。
私たちはテストの気持ちで、シンガポールのBoutique Singapore(クリエイターたちが腕試しをする大型ポップアップのようなもの)に出店しました。
それは挑戦であり、未来を試す一歩でもありました。そして──準備に準備を重ねた今、ついに。シンガポール・Tanglin Mall にNala Designs の常設店が誕生しました。
その知らせを受けた瞬間、スタッフの顔に自然と笑みがこぼれました。
「ついに、国境を越えたんだ」と。
国境は“近い”のに、“遠い”。
マレーシアとシンガポールは、地図では隣同士。けれどブランドにとっての「国境」は、想像以上に高く、そして重い。シンガポールはアジア随一の洗練された都市。
世界の名だたるブランドが並び、感度の高い消費者がその価値を見極めます。
そんな場所に、マレーシア発のローカルブランドが常設店を構える──
それは、「ローカル」から「アジアのブランド」へ。**大きな飛躍の証です。
“本物”かどうかを決めるのは、国境を越えられるか。
手描きの柄。大胆なのに上品な色使い。そしてLisetteが作り続ける、あの独自の世界観。
それらが文化も言葉も越えて“通じる”ということ。それはつまり、Nala Designsの美しさは、本物である。**そう認められた瞬間でもありました。
多民族国家のシンガポールで支持されるということは、デザインに「普遍性」があるという何よりの証です。
日本へ向かう、小さな種
Lisetteはよく言います。
「いつか、日本にも店を持ちたい」 と。
うなぎのエピソードから始まった日本とのつながり。こけしのまなざし。日本の風景、人、文化から受け取ってきたインスピレーション。その“小さな種”は、今アジアに根を広げながら、ゆっくりと未来へ向かっています。シンガポールでの成功は、
Nala Designsが世界で愛されるブランドへと育っていく確かな一歩。
そして同時に、“日本での夢”への階段をまた一段上った瞬間でもあります。
マレーシアから、シンガポールへ。
そして、いつか日本へ。
私たち日本人スタッフは、
この物語の次の章が日本で開かれる日を、
心から楽しみにしています。
どうか皆さんも、この旅路を見守っていてください。
Unagi Club は、これからも日本とNalaをつなぐ物語をお届けします。





